はじめまして!
NRDO管理人(?)のHIDEKATSUといいます。
NRDOは「なーど」と読みます。NAOMO Robotics Drone Oasisの略です。
NAOMOは弊社の名前です。RDOは実はこじつけです。私がアイザック・アシモフのファンといえばわかる方には伝わるでしょう。
2021年8月13日にこういうツイートをしました。
この山林を購入するまでの紆余曲折を記事にしたいと思います。
目次
現状のストレス・閉塞感
単純にドローンを飛ばしたい!楽しいから
ドローンといってもいろいろですが、最初はDJIのMavicProというドローンからはじめました。
単純に趣味としてです。その後本業であるVR開発のほうで360カメラをドローンに搭載してVRで閲覧できるようなことを始めました。
しかし難易度は高く、満足できる品質の映像はなかなか撮れません。DJIがInsta360OneRを搭載できるマウントは速攻で買いました。
が、ドローンの微振動がまともに映像に反映されてしまい、また上下の映像の接合部もきれいにはならず断念。
そしてこの時期にいろんなドローンがあることを知ります。測量調査用や災害捜索用、運搬用、農業用そしてレース用などです。
さらにフォトグラメトリによって3Dが作成できることになり、ドローン映像の価値は一気にあがりました。
仕事につかえてさらに楽しい。これにハマりました。拍車をかけたのがFPV(FirstPersonView)ドローンです。
FPVといってもゲームではなくドローンのジャンルの総称で、DJIなどのスマホの液晶を見ながら操作するのとは違い、VRのようなゴーグルを装着して操作はフルマニュアルで飛行させます。
レースをしたりフリースタイルといってかっこいい映像を撮ったり、というジャンルです。感覚的には小学生のころのラジコン、またはPentium世代の自作パソコンを思い出させます。
フレーム、バッテリー、モーター、プロペラ、ESC(モーターアンプ)、フライトコントローラー、プロポ受信機、VTX(映像送信機)
これらの部品を選定し、組み上げてドローンを自作します。もちろんベアボーン的なものや完成品もあります。私は最初の1台完全にパーツ選定からやりましたが、とにかく大変でした。情報もないしBanggoodなどの海外通販サイトでパーツを買っては使えず、また買ってはを繰り返しました。
しかしとても楽しいのです。魅了されました。そしてドローンを試作すれば飛ばしたくなるのは当たり前というもの。
ところが飛ばせません
このころ私は家業である行政書士の資格を取得しています。法律家の末席に座った以上、法律をしらなかったでは済ませられません。法令遵守で行こうと決めました。
もちろんそれまでもDIPS(国土交通省のドローン情報基盤システム)にはきちんと申請を通しています。無線免許(アマチュア無線免許4級私のころは電話級、第三級陸上特殊無線技士)、開局もすませています。
それでも飛行には土地の所有者の許可が必要です。私有地はもちろんですが、山、川、道路すべてに国、県、市、公共団体、警察などなど誰かに許可をとらなくてはいけません。これはとても難しい場合がありますし面倒でもあります。(200g未満の話は置いておきます。またどんなときも必ず必要か、となるとそうでもないという判断もありえます)
例えばある山の景色を撮りたいとします。その山のどのあたりを飛行するかを決めます。その土地を誰が所有しているかを調べ連絡します。
この調べるというのが大変でさらに時間もかかります。その上で拒否されてしまえばどうしようもありません。
また公共の公園やその他施設ではNGの場合がかなり多いです。申請という手段がある場合もありますが、趣味の撮影などでは許可は降りません。
実際にはその地域の電波状況や、映像の映り込みに第三者の著作物がないかなどもありますが。
逆に公共からの依頼で飛行させる場合、本来許可が必要ない場所へも安全のために許可申請したりして、これはこれで業務を煩雑にしてしまいます。
さらにFPVというゴーグルを使うドローンでは現状5GHz帯の機械が多く無線免許と開局申請が必要です。試験は難しいものではありませんが、ちょっとやってみたい、という方には面倒な障壁です。
むず痒いのは日本は技適という許可制度や無線周波数帯の考え方が諸外国とちょっと違うという部分があり、しかもドローンの部品はほぼ海外製であり、使えないものがたくさん出てきます。(改善されていく可能性は十分にありますが)
これらの問題はドローン愛好家の中では周知の事実なので、超法令遵守な方のことをドローン警察などと言ったりします。ところがどんな法律もそうですが、グレーなゾーンがあり、各裁量権もあります。実際超法令遵守な考え方だと日本にドローンを飛ばせる場所は存在しません。
さらに社会受容性も低いと感じます。ドローンという名前くらいは知っているという方からすれば、なにか危険なものを飛ばしている盗撮とかもしているかもしれない危ない人間だと思われても仕方がありません。たしかにどんなに気をつけても技術が進歩しても100%安全にはなりません。
交通事故のリスクがあっても車が禁止されないのは社会受容性があるからです。しかし同じようにドローンが世の中を便利にする時代になったとしてもいまのままでは日本を便利にするドローンは海外製になるでしょう。
私自身はもう半分諦めています。
しかしもう半分はまだ楽しみたいです。日本のドローンの未来は暗いです。しかしそんな中で楽しもう楽しむためなら努力するぞ、という方がいらっしゃいます。
ソフトウェアが仕事趣味の私にとって、現実空間のコンテンツにはあまり興味がなかったのです(そもそもドローンも映像制作のため)。
が、質量のあるものが現実空間で動いているというのもそれはそれで価値があることなんだろうと、歳を重ねて思うようになりました。
場所さがし
というわけで思いっきり飛ばせる場所を福岡で確保しようと思ったわけです。まずは既存施設を探しました。
福岡のフットサル施設、佐賀の元スキー場などがありました。しかし専用コースがあるわけでもなく料金も高く、まったく満足できません。思いっきり飛ばせるとは程遠い状態です。
次に公共施設で飛ばせる可能性がある場所を探しました。200g未満の模型飛行機というジャンルで一部可能な場所は発見しました。
国有林を探しました。基本入林届け出で飛行可能です。林道はまるでコースのようだと思いました。
結局感じたのは「やっぱり自分の土地を持つしかない」
ここから土地を購入することを考えます。最初は「普通」の土地を探していました。辺鄙な場所なら安いだろう、と。しかしこれは難航します。
ドローンを思いっきり飛ばせる土地となると周辺設備への影響、騒音、電波状態などなど気になることがたくさん出てきます。そもそもDID地区(人口集中地区)は外したいところです。道具置き場や小屋もほしいので市街化調整区域は不便です。
結果ほぼありません。ネットにある物件は10ヶ所は行ったと思います。すべて無駄でした。
ここで山林に視点を移しました
というか山林しかもうありませんでした。(田畑は平坦で広いので理想的ですが、農地転用許可が必要です。)
しかし山林は物件の情報がほとんどありません。
あったとしても道がなかったり途中に崖があったり境界が決まってなかったり傾斜がきつかったりします。
それにやはり実際に見てみないとわからないことだらけです。山林をネットの情報だけで決めるのは不可能だと思います。
それと山林はネットには情報がなくとも日本の7割は山林なわけで、きっと売りたい人がたくさんいるんだろうと思います。それなのにネットの僅かな物件の中から決めていいのだろうか、という漠然とした不安が襲ってきます。この不安はばかにできませんでした。
そんなとき糸島の山林所有者から
貸してもいい、というお話がありました。なので実際に一緒に見に行きました。
300坪くらいの平坦な土地と1000坪くらいの傾斜のきつい竹林でした。平坦な土地には梅の木が所狭しと並んでいます。
梅の木はすべて切っていい、という話でした。まわりは田んぼだらけですし場所は車で30分くらい。悪くないです。
ここを借りて楽になってしまおうと思いました。もういろいろ疲れていました。
ただで貸す、とのこと。いや賃料は払います、ただし賃貸契約書を結びたいと申し出ました。
しかし、その土地の所有者は複数人だったのです。それもおそらくですが相続登記が終わっていません。
不動産めぐり
トラブルを避けるために残念ながら諦め、ここでやっと不動産めぐり(遅い)をしようと考えました。地元の不動産なら物件が眠っているかも、と。
いまさらですが。
そのためには自分が本当はどこにどのような土地が理想なのかを決めなくてはいけません。
考えた結果、佐賀県の三瀬がいい、と思いました。
- 山林が多く、景観がいいこと
- 福岡からの観光客が多いこと
- ゴーカートやキャンプなど遊び場としての認知度があること
- 私が家庭が佐賀市、職場が福岡市なのでちょうど中間なこと
だいたいそんな理由です。このころには自分だけ飛ばせればいい、ではなくちゃんと事業として考えるようになっていました。
と同時にお金はかけたくない。
基本DIYでいこうと決めました。これはもうついでに楽しみたい、という気持ちです。キャンプやほかのアクティビティも想定しようと思ったのもこの時期です。
なぜかあとはトントン拍子でした。三瀬には不動産業者が一つしかなく、行っていろいろ話をしてそういえば、と今回の物件がでてきたのです。
1500坪とちょうどいい広さ、大きな道に面していてまわりには田んぼのみ。航空法の30m制限も気になりません。
杉と檜の人工林で所有者は遠方。おそらく相続です。長年放置されている状態です。都市計画区域外です。電気は通せます。水道下水はなし。ネットは不明ですがケータイは繋がります。山の一部ですが、そこまで傾斜は気になりません。国土地理院で確認すると20度くらいでした(あてにはなりません)
当然ネットにはない物件です。いろいろな調査を自分なりに行い、不動産の方といろいろぶっちゃけ話をしているうちに決意できました。欲しいと決めて4ヶ月過ぎていました
山林を買う前に
普通の住宅を購入するのでしたらネット上に情報は溢れています。ですのでここでは山林ならではのことに絞ります。
キャンプが流行っている?ので購入したい方は多いとは思います。しかしよほどのモチベーションがないと挫折するかも。
大前提として山林を購入したらもう売れない
と思ったほうがいいです。当たり前ですが売買は売る人買う人がいて成立するものです。
もういらないと思っても簡単には売れません。自分と同じような奇特な人が現れるのを待つしかありません。
固定資産税は毎年かかります。(ただし評価額が低いので多くはないとは思います)
自治体に寄付しようと思っても活用できるという前提がないと引き取ってくれません。
その覚悟ができたら山地災害危険地区かどうかを確認しましょう。ネットにだいたい情報がありますし、わからなければ県庁で調べられます。この地域はまずやめたほうがいい、ということになります。
保安林の対象かどうか
県に問い合わせましょう。保安林だとさまざまな制限があり、とくに伐採後に植栽の義務があるので開発はできません。同時に補助金が使われていないかも確認できるはずです。補助金が入っていればこれも制限があります。
ある程度その地域で買う意志があれば、先に伐採業者も探しましょう。まずはその地域の森林組合です。ただし森林組合は組合加入者の森林の管理がメインのお仕事です。うまく断られたり伐採時期がずっと先になる可能性があります。私は結局時期が合わず(半年先になると言われてしまいました)、民間の木材業者になりました。
杉やひのきはもちろん売ります。しかしちゃんと手入れしてある木材ではないので、利益にはなりません。だいたい伐採料金でトントンくらいです。
時期は早めがいいかもしれませんが、法務局で登記情報と公図を手に入れましょう。私は周辺の土地すべての登記情報を取得しました。登記情報からは所有者はもちろん過去になにがあったかがわかります。もちろん地目の確認は必須です。ただし区画などは完全に信用しないほうがいいかもしれません。
都市計画法のどの区域になるか確認しましょう。市街化調整区域となると建築物は基本的に立ててはいけません。10平米以下の小さな小屋なら大丈夫という人もいますが、基本的にだめです。カーポートだろうが廃バスであろうがだめです。私の場合は都市計画区域外でした。この場合はかなり自由度が高いです。
自然公園内かどうか(ギリギリ範囲外)、絶滅危惧種確認(いない)、鳥獣保護区確認(保護区でした)などを確認しました。
ほかにも関連しそうな法律を挙げておきます。景観法、河川法、砂防法、森林法、土地収用法、国土利用計画法、道路法、文化財保護区法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、都市開発法、都市公園法、急傾斜地法、航空法、土壌汚染対策法、浄化槽法。おそらくまだあると思います。
どういう場所にしたいか
そうとう悩みました。が、一番楽しいと思うのはFPVでのレースです。
DJIなどのFPV以外のドローンももちろん飛ばせますが、メインはFPVレース場にしたいと思います。
大きめの5インチなどのドローンを飛ばせるコースとタイニーなどの小さいドローンを飛ばせるコース、の2つを用意したいと思っています。
賛否両論あるかと思いますが、完全会員制にします。それも本人確認までさせていただきます。
ドローンはけして安全なものではないこと、電波は有限なので協調しながら飛ばさないといけないことなど、だれでも気軽に入れて飛ばせるという環境はけして快適な環境にはなりにくい、と考えたからです。
同じ理由で会費もあまり安くは設定できません。それなりの負担をお願いすることになるかと思います。
運営は無人で行います。基本性善説での運営を行いますが、そのかわり防犯カメラを設置させていただきます。
2022年2月の現状
コマツで「小型車両系建設機械の運転の業務という講習」で3t未満バックホー運転の資格を取得しました。
建設機械のレンタル会社から3tバックホーをレンタルし、駐車場、そこまでの道路などの土木作業をしています。
道路には鉄鋼スラグという路盤材を敷設中です。
物置を設置し、チェンソーやインパクト、アースオーガ、ドリル、マルチツール、などの工具を揃えました。
トイレは汲み取りで、簡易水洗のトイレを制作中です。
これからの予定
3月までに駐車場とトイレなどの整備を行い、4月にはメンバー募集したいと考えています。
詳細発表までもう少しお待ち下さい。ぜひ画面下のニュースレターに登録していただき、発表をお待ち下さい!
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