DJIドローンユーザのためのFPVドローン入門

DJIのドローンを持っている方でFPVドローンに興味がある方いらっしゃいますか?

FPVドローンというのに興味があるが、どうしたらいいのかわからない
トイドローンを買ってみたがなにか違う

そういう方にこの動画ではFPVドローンの全体像をつかんでもらおうと思います

目次

DJIとFPVの関係

DJIドローンは機種があります。

しかしFPVドローンはキットや部品で選びます。

FPVドローンというメーカーがあるわけではありません。

スマホに例えるとDJIはアップル、のようなメーカーです。MavicはiPhoneです。FPVドローンはスマホのAndroidです。AndroidはGoogleのOSです。SONYやサムスンなど沢山のメーカーがAndroidスマホを作っています。

ほかにもパソコンで言えばDJIはメーカー製。FPVは自作パソコンのような感じということもできます。FPVドローンは部品単位にメーカーがあり、部品単位で購入でき、違うメーカーでも接続して組み立てることができます。互換性の問題なども自作パソコンと同じく存在したりもしています。

FPVはDJIよりは購入時の知識がちょっとだけ余計に必要です

ここではFPVドローンに入門するためのそのちょっとだけ余計な知識をご紹介します。

ルール
個別の製品には言及しない
こまかな違いやマイナーなものは省略
あくまでDJIユーザーのための入門編
TIPS
DJIのFPVドローンであるDJI FPVは特別な機種です。DJIのMavicシリーズ等と同様な安定したホバリングもできるフライトも可能ながらスイッチひとつでFPVと同様の動きもできます。
ただし、DJI以外のFPVドローンと比べてデメリットもあります。それは
1、壊したらほぼDJIの修理対応。自分での修理や交換は難しい
2、機体が重いので機敏な動きが苦手
3、日本版の場合、ゴーグルが2.4GHzのデジタルなので映像はキレイだが途切れやすく、途切れてしまえば画面がフリーズしてしまいとても危険
4、ゴーグルやプロポ、バッテリーなどが専用機器なので他の機種との使い回しができない

送信機(プロポ)

まず必要なのは送信機です。(プロポ)(ラジオトランスミッター)

DJIの場合は送信機はドローンごとに付属していますが、FPVドローンの場合は個別に購入します。そのかわり複数のFPVドローンで同じ送信機が使えます。

なぜ最初に必要かといえば、送信機があればエミュレーターが遊べるからです。

DJIドローンと違い、いきなり実機は無理のはず。(あなたはアムロじゃない

送信機は電波を出力するので技術基準適合証明(通称技適)が通っているかを確認してください。

最初に購入するものなので間違いがないよう国内のショップ、ネットショップでの購入がおすすめです。国内のショップであれば技適が通っていない送信機はまず販売されていません。

プロポのバッテリが特殊な場合もあるので必要なら同時に買っておきましょう

リチウムイオンの18650、18350の場合が多いです

スイッチの数は最初は関係ありません。4つあれば十分です。

(アーム、FLIP OVER AFTER CRASH、ビープ、Angle Horizon Acro切り替え)

モード1、モード2があるのはDJIと同じです。

TIPS
スロットルスティックが中央に戻るバネがきかないすかすか状態なのでモードを変更するにはハード的に変更が必要となります。
海外がモード2が多いので初期設定は比較的モード2の場合が多いです。
できればUSB接続で充電できるものが充電の手間が減って便利だと思います。

エミュレータ

送信機をPCにUSB接続することでコントローラーと認識します。

さっそくエミュレータで遊んでみましょう。おすすめのエミュレータはVelociDroneです。

個別の製品には言及しない約束ですが、ここは外せないのです。

https://www.velocidrone.com/

Windows、OSX、Linuxに対応しています。

大変残念ながら日本語に対応していないのですがそれでもオススメなのは

  • 1、挙動が本物に似ている
  • 2、ネットワーク対戦に対応している
  • 3、独自のマップが作れる
  • 4、日本にある現実のコースも作成してくれるユーザーがいる

上記の理由で日本ユーザーでもオンライン大会が開かれているという人気ぶりです。

というわけで送信機を買うときにVelociDroneで問題なく使えている送信機か確認することも重要かと思います。検索すればだいたいの情報はあると思います。ちなみに私が買ったプロポで使えなかったものはありませんでした。

本体

VelociDroneで散々遊びましたか?難しさ、楽しさが少しは伝わると思います。

そして、やっぱり実機を飛ばしたいという気持ちが抑えられなくなったら決心しましょう。

決心がついたら本体サイズを検討です。

ここでいう本体とは

フレーム、モーター、プロペラ、カメラ、FC、ESC、VTX、受信機、アンテナ(VTXアンテナ、受信機アンテナ)のことで、だいたいこれらがセットになっています。

種類としてTinyWhoopと呼ばれる65サイズ(厳密な定義はない)が最も小さく、

75、85、95サイズなどもあります。これらは対角モーターの距離ですが厳密ではありません。あくまで指標的なものです。

対角モーターの距離以外に2.5、3.5、5などのインチ表記もあります。これらはプロペラ1つの直径のこと。おなじく厳密ではありません。このあたりのカテゴリ分けにはそれほど意味はありません。(すいません、教えてください)

MavicMiniがだいたい95サイズくらい。Mavic3がだいたい5インチサイズくらいとイメージしてください。

購入するときにオプションで受信機の種類が選べます。いろいろ種類があると思いますが、これは送信機のプロトコル(通信の約束事)によって決まります。個人的には今からならELRSで統一したいところですが、私のメインはFrSkyです(安いので)しかしFrSkyはこまかい種類も多く、わかりやすいとは言えません。S-FHSSはFUTABAという日本メーカーのプロポ独自のプロトロルです。FUTABAのプロポをお持ちの方はこれ一択でしょうか?

TIPS
ELRSはまだ送信機で技適があるものが少ない状態です。今後はELRSが優位だと思いますが正直そこまでこだわりを最初からもたなくてもいいかと思います。

もし100g未満で構築できるドローンであれば、2022年6月以降も無人航空機ではなく模型航空機扱いになりますので面倒事が減ります(航空法の適用内容やDIPS申請など)

重要なのは本体の他にバッテリーが必要で、バッテリーと本体の合計の重さが100g未満になることが必要です。なので本体を確認したらそれに推奨されているバッテリーを確認しましょう。

TIPS
模型航空機ではなく無人航空機の場合、特定の条件によってDIPSと呼ばれるドローン情報基盤システムに申請をしなければいけません。その条件の一つに目視外飛行があります。FPVはゴーグルなどの画面を見ながらの操縦になるため、かならず目視外飛行となり、DIPSの申請が必要となります。(ちなみにDJIのドローンでもスマホの液晶をずっと見続ける飛行は目視外飛行です)

一番小さい65サイズが安いし室内でも飛ばせるしで最初の1台としてはありです。もちろん大抵の場合100g未満になります。

小さいながらプロペラガードもついています(室内で飛ばすことが多いため)。

小さいとはいえ一通りの機能をもっています。ただし録画用のために別にカメラを取り付けたりすることは重量的に厳しそうです。

VTX

搭載されているカメラはアナログで画質も正直よくありません。このカメラは録画用ではなく、ゴーグルに映像を送るためのカメラです。

送るための回路部品をVTXといいます。

VTXは電波を出します。この電波を使用するには

第四級アマチュア無線技士(以上)

という国家資格が必要です。

次に無線技士免許を持った人が局を開局する必要があります。開局とは特定の機械を使うことの総務省への許可申請です。

つまり、人間と機械それぞれに資格が必要です。

第四級アマチュア無線技士は難しい資格ではありません。どうせですからいますぐ取得してしまいましょう。CBT試験といい、かなりお気軽に受験できます。

https://www.nichimu.or.jp/kshiken/vcmsFolder_723/vcms_723.html

開局の手続きは複雑ですし時間もお金もかかります。また、VTXの系統図が必要になります(技適がないため)。系統図が手に入るVTXがどうかは確認の必要があります。購入前に「VTX名称 系統図」で検索して確認しましょう。国内のショップで本体を購入する場合には添付されていることがあります。(問い合わせてみましょう)

VTXに電源を入れる前に開局を済ませておく必要があります。

(有資格者がいれば、体験は条件によっては可能)

https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/drone/experience/

TIPS
なぜDJIのドローンは免許がいらないのか
技適を取得し、2.4GHz帯のみを使用しているからです。
2.4GHzはたくさんの機器に開放されている周波数帯です。WiFiもBluetoothもこの周波数帯です。この周波数帯を使用することと技適取得があれば免許が必要ない機器となります。
DJIのドローンは送信機からの電波、ドローンからの映像をスマホに送る電波それぞれ同じ2.4GHzの周波数帯の中を使用しています。
ではなぜFPVドローンは2.4GHzを使わないかといえば、まず送信機は使っています。問題はVTXです。5.7、5.8GHz帯を使いますが、遅延が少ない、混信がおこりにくいなどのメリットがあります。さらにVTXの製造メーカーはほぼ海外メーカーのため、技適取得がされていません。この周波数帯、技適未取得の2つをクリアするのが免許所持+VTX開局です

バッテリー

バッテリーは本体によって違うことがほとんどです。逆にいえば本体推奨のバッテリーなら間違いありません。

まずは1Sや4SなどのSの前の数字はセル数です。直列で繋がれている数のことです。SはSeries、つまり直列の意味です。

1Sは3.7Vなのですが、直列なので4Sは3.7×4=14.8Vのバッテリーになります。

容量はmAhで表します。数字が大きいほうが電池が持つ、くらいで大丈夫です。

60Cや75CなどのCの前の数字は放電能力です。瞬間的に出力できる電流ですが、大きいほうが値段も高いはずなので、低い数字でも十分です。

コネクタは当然ドローンのコネクタと同じものを購入する必要があります。

1SのコネクタはJST-PH2.0という標準コネクタ、BetaFPVというメーカーのBT2.0、GaonengというメーカーのGNBがあります。ドローンがどれを採用しているかで選択しましょう。

単なる2端子のコネクタなので変換コネクタもありますし、自分でハンダづけもできると思います。

2S以降はXT30という規格がほとんどかと思います。4Sが一般的だと思いますが、4Sは出力によってはXT30とXT60が混在しています。大きいXT90というのもありますね。

2S以上のLipoバッテリーにはドローンと接続するコネクタの他にJST-XH規格のバランスコネクタというのがあります。例えば4セルだと5ピンになっています。ドローンには接続する必要はありませんが、充電のときに充電器に接続する必要があります。各セルの電圧をなるべく均一にするためです。

充電器

Lipoバッテリーには専用の充電器が必要です。1Sのバッテリーは構造がシンプルですし容量も小さいため、比較的安価でコンパクトなものが存在します。

4Sなどの容量や電圧が大きく、バランスを取る必要がある充電器は大きく、高価になりがちです。充電時にはドローンと接続するときのコネクタとバランスケーブル両方を充電器に接続します。

最初は100Vのコンセントから電源を取るタイプの充電器がいいと思います。

バッテリーの数をたくさんもっている場合に便利な同時に複数バッテリーを充電できるものもあります。

また、同時に充電できるこのようなアダプタもありますが、あまり安全とはいえません。

コネクタはもちろん持っているバッテリと同じにします。変換コネクタもありますが、これもあまり安全とはいえません。

充電器は信頼できる製品を使いましょう。

Lipoバッテリーの充電は安全とはいえません。1C充電(容量と同じ電流値)と言われる時間はかかるけどゆっくり充電する方法がありますし、なにより目を離さないことが重要です。

もし発火したら、とそのときの対応策を決めて置きましょう。消火対策が必要です。

保管には専用のケースを用意するなどの安全対策も必要です。

TIPS
充電器にはストレージモードがついているものが便利です。Lipoバッテリーはだいたい35%ほど充電されている状態、電圧は3.7Vあたりがもっとも劣化が遅く進行します。なので使い切って放置したり、飛ばすつもりで満充電したのに飛ばさなかった場合に放置したりすると劣化が早く進行します。ストレージモードでの充電はバッテリーがどういう状態であれ35%程度にしてくれます。DJIのバッテリーはインテリジェントモードがある場合、設定にもよりますが10日使わなければ自動的に65%以下まで3日程度かけて放電します。便利ですね。その分高価なのは仕方ないのかもしれません。

FPVゴーグル

そもそもFPVはFirstPersonViewという一人称視点の略です。

ゴーグルと呼ばれる目に装着するモニターが必要です。

FPVドローンにはだいたいVTXと呼ばれる映像送信機があります。その映像を電波でキャッチするのがゴーグルです。

日本の規制その他条件があり、現状はアナログ映像が主流です。ゴーグルはたいていのものは互換性があり使えます。仕組みとしてはアナログテレビなので、周波数さえ合わせればFPVドローン1機の映像をたくさんのゴーグルで見ることもできます。

ゴーグルの種類として

1、単眼
2、2眼

があり、細かくいえばアンテナが別売りだったり受信機が別売りだったりします。他にも瞳孔間距離やピント調整ができるものもあります。録画機能も重要かもしれません。

FPVドローンに必要な部品としてはもっとも高価なものになります。慎重に選択しましょう。できれば誰かに実際に見せてもらったほうが確実です。

TIPS
やっぱりいきなり買うのは高いし怖い、という方、わかります。私もそうでした。そこで最初はゴーグルではなく、小型のモニターを使うのも検討してください。
スマホくらいのサイズの小型モニターが比較的安価です。それに後々ゴーグルを買ったとしても、小型モニターは人に見せることができる、調整時にすぐ確認できる、などずっと重宝します。

送信機プロトコル(OpenTX)

以上でハードウェアが揃いました。あとは飛行させるために送信機、ドローンの受信機、ドローンのVTX、FPVゴーグルを設定しなくてはいけません。

送信機とドローンについてはファームウェアの設定が必要です。

送信機はOpenTXというファームウェアが有名です。ドローンごとに設定を保存できます。スティックの動作やスイッチ類の操作ですが、もっとも重要なのはドローン本体とのバインド(通信接続)です。ドローンの受信機のプロトコルと同じプロトコルを設定し、バインドを実行します。実行中の間にドローン側のバインド受付も行います。

この作業でドローンが送信機を認識するようになります。このやり方は受信機、送信機で違いますが、受信機側のLEDを確認することでバインドに成功したかどうかわかることがほとんどです。とても重要で、なおかつハードルが高い作業でもあります。

BetaFlight

送信機の次はドローン側のファームウェアの設定です。

BetaFlightというオープンソースのファームウェアが有名です。

だいたい最初からドローンのFC(フライトコントローラー)に設定されています

PCにBetaFlightConfiguratorというアプリを入れ、ドローンとUSB接続することで設定を変更できます。

うまく接続されていればセットアップ画面が表示され、ドローンのCGが実際のドローンと同じように傾いているはずです。

設定は受信機の設定、各スティックの割当、スイッチの割当、VTX(映像送信機の設定)など多岐にわたり、この設定がとても重要になります。

順番はとくにありませんが、プロポから情報を受信できないと始まらないので受信機の設定を行います。

次に各スティックの割当です。これは送信機とBetaFlight両方で調整しながら正しい動きに合わせます。

スイッチはモードタブで設定します。最低限どのスイッチがアームかを決めなくてはいけません。とりあえずはアームとAngle,Horizon,Acroモードの切り替えできるといいかと思います。アームは2極スイッチ、モード切り替えは3極スイッチに割当てます。

VTXにはたくさんの周波数が設定されています。ですが日本では

Band-Eの1(E1の5705MHz)

FATSHARKの1(F1の5740MHz)

FATSHARKの4(F4の5800MHz)

この3つを使うとだけ覚えれば十分です。このどれかに周波数を設定してください。

ゴーグルも同じ周波数にすることで映像を見ることができます。

VTXの映像を実際に確認するにはUSBだけでなく、バッテリーも接続する必要があります。(接続しなくてもVTXに電気が送られるFCもあります)

また、SMARTAUDIO(音とは関係ない)という機能を使うことでアナログ映像を見ながらプロポのスティックで設定の変更が可能です。

TIPS
その他にピットモードが存在するVTXもあります。ピットモードはすごく小さな出力で、かなり近づけないと見れないので他の機体に迷惑をかけにくいのと、バッテリの消費電力も抑えられます。

他にも設定は沢山ありますが、ここまできたら目指すのはアームができるようになることです。アームとはスティック操作を受け付けるようになることでDJIでいうスティック斜め倒しと同じ意味です。

アームはできない場合がかなりあります。

例えばBetaFlightConfiguratorの画面のセットアップタブ、情報のアーム無効フラグがこのようになっている場合、

RX_FAILSAFEは送信機(プロポ)からの信号がない場合に表示されます。

次のMSPはPCに接続されてBetaFlightConfiguratorが起動している場合に表示されます。(つまりMSPはかならず表示されますね)

どういうフラグがあるかはここで確認できます。

https://github.com/betaflight/betaflight/wiki/Arming-Sequence-&-Safety

OSD設定タブはOnScreenDisplayの略で、ゴーグルに送る映像にドローンの情報を重ねます(スーパーインポーズって言い方古いですか?)

沢山の項目があるので必要な分だけチェックをいれます。チェックは123とあり、これらはプロファイル1、2、3に対応します。まずはプロファイル1を作成しましょう。チェックをいれたあと、表示させる場所を変更します。ドラッグで移動できます。

バッテリーの電圧だけはほしいところです。最初はセルあたり4V超えていても時間とともにだんだん減っていき、標準警告電圧の3.5Vを切るとかなり危険ですしバッテリーの寿命も縮みます。余裕をもった運用が必要です。DJIドローンも残り30%で警告されますが、同じ理由です

飛行!

いよいよフライトです。

まずコントローラーの電源、そしてドローンの電源を入れます。DJIと同じです。

コントローラーはいくつかのセーフティロックがある場合が多いです。スイッチがすべてオフになっているか。スロットルはオフになっているかを確認しなくてはいけません。

モードはAngleモードにしてください。

ドローンには電源スイッチがない場合が多く、バッテリーをつなぐと電源が入ります。

ゴーグルはまだ使いません。

アーミングしましょう。(BetaFlightのモードでスイッチを決めましたよね?)

BetaFlightの基本設定でMOTOR_STOPアーム後にモーターを回転させない、がデフォルトのOFFであれば、アームすることでプロペラが軽く回るはずです(浮かない程度)

スロットルはまだオフのはずです。少しづつ回転を上げ、ドローンが浮くまで上げてみましょう。

浮いたらすぐに降ろしてください

ここがDJIとFPVの最大の違いですが、スロットルによって機体が上下するので安定しません。最初は天井に激突したり、床に落下したりを繰り返すと思います。そのつもりで環境を整えてください。なるべく広く、天井が高い場所が理想です。

ホバリングは至難の業だと理解できると思います。ドローンはわずかに傾いていますし、ちょっとの風で前後左右に動きます。右スティックの左右でドローンを左右に、上下で前後に動かして同じ場所にとどめてください。回転し始めたら左スティックの左右で回転させてドローンの前方と自分の前方が同じになるようにとどめましょう。(モード2の場合。モード1の場合は左スティックの上下、右スティックの上下が逆になります。)

モードがAngleモードになっていれば、右スティックを離せばドローンは水平を保とうとするはずです。よくわからなくなった場合は右スティックを離し、左のスロットルを下げましょう。

TIPS
モード2とモード1の違いはスロットルとピッチの位置です。
スティック動作をスロットル、ピッチ、ロール、ヨーといいます。
他にもロールをエルロン(補助翼)、ピッチをエレベーター(昇降舵)、ヨーをラダー(方向舵)と言うばあいがあります。これはどちらかといえば飛行機用語です。私としてはピッチ、ロール、ヨーが直感的です。

練習

ここからいくつかの練習を行う必要があります。

特にDIPS申請しようと考えている無人航空機の場合、DIPSの標準マニュアルに基本的な操縦技量の習得という項目があります。この項目の技量は最低必要です。

離着陸、ホバリング、左右方向の移動 前後方向の移動、水平面での飛行

その他、これは業務実施の場合の技量ですが、

対面飛行、飛行の組合、8の字飛行

があります。これらを合計10時間以上練習しなくてはいけません。

これらをおこなってください。

技量に自信が出れば、つぎは目視外です。ゴーグルをつけて、目視外状態で上記の練習をします。場所は訓練のために許可を受けた場所、もしくは屋内です。

ある程度の広さが確保できればAcroモードにも挑戦します。Acroモードはスティックを動かすと動かした分変化します。スティックを戻してもAngleモードのように地面と平行にならず、姿勢は変化しません。最初はどこかに飛んでいく可能性もあります。(だいたい飛んでいきます) 十分に安全な場所で練習してください。

TIPS
この段階になると、搭載カメラの角度が気になってきます。カメラを機体と平行に設置すると、ほぼ地面しか映らなくなるからです。それだけドローンは前傾姿勢になっています。前傾姿勢でそれなりのスピードで前進している場合、ロール、ヨーは複雑な動きになります。

お疲れ様でした。
ようこそ、FPVドローンの世界へ